「退職後も今の健康保険証って使えるの?」そんな疑問を持つ人は多いかもしれません。
会社を退職すると、勤務先で加入していた健康保険の資格は退職日をもって喪失し、翌日からはその保険証を使うことができなくなります。

ただし、新しい保険証が届くまでの間や、「資格確認書」「マイナ保険証」などの代替手続きによって、医療機関での受診ができるケースもあります。
退職直後の医療費対応や、誤って使ってしまった場合のリスクを正しく理解することが大切です。
トラブルを防ぐために、退職後の保険証の扱い方を正しく押さえておきましょう。
- 退職後に健康保険証が使える期間や基本ルール
資格喪失日や有効期限の考え方を整理します。 - 保険証が使えない期間中の医療費の対応方法
立替払い・資格確認書・マイナ保険証の活用を解説。 - 資格喪失後に保険証を使ってしまった場合の対処法
全額負担・療養費支給申請・再請求手続きを詳しく説明。 - 退職後の保険証を正しく扱うための注意点
返却や切替手続きを怠らないためのポイントを整理。
退職後に健康保険証が使える期間や基本ルール
退職後に健康保険証が使える期間は、退職日までです。
会社を辞めるとその日をもって健康保険の資格を失い、翌日から保険証を使用することはできません。
「保険証の有効期限」に日付が印字されていても、実際の効力は資格喪失日と連動して終了するため注意が必要です。
会社の健康保険は退職日をもって資格喪失し翌日から使えない
会社を退職すると、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の資格は退職日の翌日に喪失します。
そのため、退職日当日を過ぎたらその保険証は使用できません。
被保険者が退職した場合、事業主は「健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届」を提出します。
提出時期:事実発生から5日以内。
引用元:従業員が退職・死亡したとき(資格喪失)の手続き|日本年金機構
保険証の“有効期間”は資格喪失日と連動して自動的に終了する
健康保険証には印字された「有効期限」がありますが、この日付はあくまで発行時点の管理上の目安であり、実際の効力は資格喪失日に自動的に終了します。
有効期限が翌月や翌年度になっていても、退職日の翌日以降に使うと医療費全額負担の対象になる点に注意しましょう。
扶養家族の保険証も同じ日に無効になるので注意
被保険者本人が退職して資格を失うと、扶養家族の保険証も同じ資格喪失日で無効になります。
家族が受診を予定している場合は、退職日以降に保険が使えなくなる点を事前に伝えておきましょう。
資格喪失証明書が発行されるまでに数日かかることもある
会社を通じて「資格喪失届」を提出すると、数日後に保険者から健康保険資格喪失証明書が発行されます。
この書類は次の保険(国民健康保険や任意継続など)の加入手続きに必要です。
証明書が届いたら、次の保険加入手続きを早めに進めて、無保険期間をつくらないようにしましょう。
退職後に保険証が使えない期間中の医療費はどうすればいい?
退職後、新しい保険証が届くまでの間は「無保険期間」のような状態になりますが、実際には医療機関での受診が不可能になるわけではありません。
一定の手続きを行えば、医療費の立替払い後に還付を受けたり、資格確認書を利用して保険診療を受けることができます。
ここでは、保険証が使えない期間中の医療費対応や、マイナ保険証・資格確認書を活用した方法を解説します。
新しい保険証が届くまでの間は一時立替払いで対応
退職直後に受診する場合、新しい保険証がまだ届いていないと、医療機関では一時的に全額自己負担(10割)で支払う必要があります。
受診日と支払日がわかる明細書が必要になるため、病院で紛失しないよう注意してください。
「資格確認書」を発行すれば医療機関で受診が可能
2024年12月以降は、従来の健康保険証の新規発行が終了し、保険者が代わりに「資格確認書」を発行します。
これを提示すれば、保険証と同様に保険診療を受けることが可能です。
健康保険証は令和6年12月2日以降、新たに発行されません。マイナンバーカードをお持ちでない方などには、代わりに「資格確認書」を交付します。
引用元:マイナンバーカードの健康保険証利用について|厚生労働省
マイナ保険証を利用して最新の資格情報を確認できる場合もある
マイナンバーカードを健康保険証として登録している場合は、マイナ保険証を使って医療機関の受付でオンライン資格確認が行えます。
これにより、新しい保険情報が反映されていれば受診が可能です。
保険切替が遅れると無保険期間が発生するおそれがある
退職から次の保険加入までの手続きが遅れると、無保険期間が発生し、その間に受診した医療費は全額自己負担になります。
特に国民健康保険への加入は14日以内が原則です。
医療費トラブルを防ぐためにも、「資格確認書」や「マイナ保険証」を上手に活用して、空白期間を作らないようにしましょう。
退職後に保険証を使ってしまった場合の対処法
退職後に以前の健康保険証を誤って提示すると、保険給付が受けられず高額な負担が生じます。
ですが、速やかに保険者へ連絡し、必要書類をそろえれば、還付や再請求で負担を軽減できます。
資格喪失後に使用すると医療費は全額自己負担になる
退職日の翌日からは被保険者資格が失効し、旧保険証の提示では保険診療の対象になりません。
さらに、協会けんぽ等が立て替えた負担分(総医療費の7〜9割)を返還するよう求められる場合があります。
資格喪失日以降、それまで使用していた保険証・資格確認書は使用できません。誤って使用した場合は、後日医療費(総医療費の7~9割)を返還していただくことになります。
新しい保険加入後に「療養費支給申請」で還付を受けられる
資格喪失後に全額自己負担で支払った医療費は、新しい保険へ切り替わった後に療養費支給申請で保険給付分の払い戻しを受けられます。
さらに、やむを得ず現物給付を受けられなかった場合も対象になります。
かかった医療費の全額を一時立替払いし、あとで請求して療養費として払い戻しを受けることができます。療養費は全額が戻るわけではなく、基準額から一部負担金相当額を差し引いた額が払い戻されます。
健康保険給付を受ける権利は、受けることができるようになった日の翌日から2年で時効になります。
会社や保険組合に報告し、返金・再請求の手続きを行う
誤使用に気づいた時点で、前職の会社または加入していた健康保険組合へ連絡します。
さらに、協会けんぽ支部へ相談すれば、返還金の納付方法や新しい保険での申請手順を案内してもらえます。
意図的な使用は不正請求とみなされるおそれもある
故意に無効な保険証を提示して受診した場合は、保険者から不正受給と判断されることがあります。
さらに、状況によっては刑事罰の対象となるおそれもあるため、事実が判明したら直ちに相談してください。
資格喪失日以降は保険証等は使用できません。誤って使用した場合は、後日医療費(総医療費の7~9割)を返還していただくことになります。
早期に保険者へ連絡し、返還と還付の流れを確認したうえで、必要書類をそろえて順番に対応しましょう。
退職後の保険証は早めに返却し、適切な手続きを進めよう
退職後は、勤務先の社会保険の資格を失い、健康保険証は退職日で効力を失うことになります。
誤って使ってしまうと医療費の全額負担が発生するため、早めの返却と新しい保険への切り替えが大切です。
また、資格喪失後に受診して医療費を支払った場合でも、療養費支給申請により還付を受けられるケースがあります。
あわてず、正しい手順で対応しましょう。
退職時には新しい保険制度(任意継続・国民健康保険・家族の扶養など)の選択肢を整理し、スムーズに切り替えることで無保険期間を防げます。
制度の違いを理解し、自分に合った方法を早めに決めましょう。
- 退職日で資格喪失、翌日から使用不可
保険証の有効期限は退職日までで、翌日以降は無効になります。 - 退職後5日以内の返却
会社を通じて返却し、扶養家族分も忘れずに提出します。 - 誤使用時はすぐ報告・返金手続き
協会けんぽや健康保険組合へ連絡し、療養費支給申請で還付を受けましょう。 - 新しい保険制度への切り替えを迅速に
任意継続・国民健康保険・扶養などを比較し、最適な制度を選びましょう。 - 不正使用は重い処分対象
悪意のある使用は返還請求や罰則につながるため、誤使用時は速やかに報告することが大切です。


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